螺旋街道


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古キョン子、古泉死ネタ、でもハッピーエンド

古泉が死んだ。。。
先日の午後のことだ。 それはあまりにも突然なお知らせで…
俺は気が動転してしばらくその事を信じられなかった。 でも、翌日の朝。 かかってこない電話。 からっぽの椅子に机。 おまけに遺影に花。 これら全てが古泉が死んだという事実を俺に突き付けた。
悲しくて、苦しくて。。。 でも、いくら望んでも古泉は帰っては来なくて。 もう二度とあの寝顔や、綺麗に整った顔、そして、笑顔が見られないんだと思うと、心にナイフを突き立てられ、えぐられるような痛みを感じた。
どうして、俺は生きているんだろう? 愛しくて、もっとも逢いたい人と逢えなくしたこの世界で。 どうして? 頭の中に浮かぶのは、古泉ばかり。 誰が話しかけてきても答える気も、顔を上げる気すらも起きなかった。
そして、その状態が4日続き、食べ物がのどを通らなくなった俺は、もともと華奢だったその身体をさらに細くしてしまっていた。
古泉が可愛いと喜んでくれた、最後のデートの日に着て行った、黒のミニスカートに膝上まであるニーハイ、淡いブラウン色の上着にセーターの恰好でずっと過ごしながら。
そして、何度も何度も窓から飛び降りようとして、親や妹、ハルヒや朝比奈さん、長門に止められた。
「キョン!死んじゃ駄目よっ」
その言葉とともに。
でも俺は、何度止められてもやめなかった、否、やめられなかった。 古泉に会いたい。逢いたい、逢いたい。 逢いたかったから。
いつしか、部屋から一歩も出なくなって。 右手の手首には無数の傷ができていた。 なんどもなんども皮膚を切裂き、血を滴らせるのに、古泉の元にいけない。 古泉のところにいきたいのに行けない。
死ねない。 死にたいのに。 もう生きる理由なんてどこにもないのに。 そうして、またカッターで皮膚を切裂いた。

*   *    *

「キョン君!!」
手首の痛みと、身体を揺さぶる動きと声で目を覚ました。 目の前には、真っ青な顔をした古泉。 嗚呼、天国かな、なんて思ってしまった。
しかし、二度目の揺さぶりで確実に意識は覚醒し、やせ細り、ずたずたな手首を持つこの身体を俺は、動かした。
「あぁ、よかった…、生きてて…」
? どういうことだ? さっきまで自分の部屋にいたのに、ここは古泉の家ではないか。 状況把握ができず、とりあえず古泉にだきついた。
「逢いたかったっ、会いたかったっ」
恥心などぶっ飛び、叫びながら泣き、抱きつき続ける。 古泉は状況が分かっているのか、俺を優しく腕と身体で包んでくれて、頭もなでてくれた。 ずっと求めていた温もり。 大きな手。 いま、女性だから余計大きく感じる。
しばらくそうしていた後、古泉は身体を離した。
「キョンくん、長門さんが来ています。とにかく治療しましょう?」
軽くうなずくと、長門がやってきて、なにやらあちこち触られて、何かささやかれた。 すると、先ほどから手首から伝わってきていたあの断続的な痛みは軽くなり、身体も幾分か動かしやすくなった。
「応急処置は施した、しかし、思ったより深い。治るまで時間を要する」
「さんきゅ…ながと…」
たどたどしいながらもきちんとお礼を言った。 ほぼ1週間誰とも口をきかなかったせいだろう。 身体は良くなったが、不安だけは消えてくれず、ずっと古泉の服を握りしめていた。
「朝倉さんが先日、復活しまして…、あなただけを別の異次元空間へと飛ばしてしまったんです…」
古泉は長門を帰したあと、俺を抱きしめたまま口を開いた。
「朝倉さんはキョンくんを自分たちの側へ落そうそして、心を壊そうとしたらいです…、でもすぐに長門さんが処置をしてくれたおかげで、あなたの心は崩壊寸前のところで僕たちのところに返ってきました。大丈夫ですか?不安だったでしょう?すみません」
「いま、こいずみが…ここにいるから…いい」
「何日も食べてなかったようですが…何があったか言えますか?」
俺は黙って首を横に振った。 いまはまだ話せない。
「無理に話さなくていいですよ、辛かったですね…、もう絶対あんなことさせませんから」
古泉は、俺を強く抱きしめてくれた。 壊れかけた心は、ゆっくりとヒビを修繕していき、モノクロだった世界に色を徐々にいれていった。
その日から2週間。 ようやく身体の調子も心も治り、あったことを古泉にはなせるようになった。 でも、手首の傷は一部、消えてくれなかった。 まるで獲物につけられた印のように。 そうして悪夢は再び訪れる―…。


END

なんか続かせなきゃいけない終わり方してて、自分で今見てびっくり。
というかこれ、古キョン子じゃん!と気づいたのも今(;´∀`)
携帯・スマホサイトの方は古キョンで通しているので、直さないといけないです!