螺旋街道


光と影04

「大丈夫ですか?」
「あぁ」
立ち上がることすら困難な俺を古泉は姫抱き……所謂、お姫様だっこをして、そのまま外に行こうとする。 冗談じゃないっ!
「こ、こ、古泉!ちょ…っ、お前……このままで……!?」
「仕方ないでしょう?歩けないのですから」
そうだけど……せめておんぶとか……。
「おんぶだと、前屈みにならないといけませんから……キツいんですよ」
「はぁ……」
そのまま暗い夜道を歩いて、長門の家に向かう。 にしても………さっきのアイツの言葉は本当だろうか。
「本当ではありませんよ」
「え?」
コイツ、心が読めるのか?!
「いえ、読めませんよ」
「ならなんで……」
「あなたの表情がそう語っていたのですよ」
……要するに、顔に出ていたと。
「そうか」
本当ではないと知り、嬉しいような嬉しくないような。複雑な気分だ。 暫くその状態で歩き、漸く長門の住むマンションにたどり着いた。
「どうかした?」
インターフォンを押して、古泉と俺が名乗ると長門はこう返してきた。 いや、開けてくれよ。
古泉が状況を手早く説明し開けてくれと頼むと、長門は納得したのかドアを開けてくれた。
「膨大な量の情報が無数に集まって出来た、レプリカ。それがあれ。私たち情報思念体とはレベルが違う、壊すのは簡単ただ」
長門が口を塞ぐ。 なんとも不気味だ。 「ウィルスを作るのに時間がかかる」
「そうなのですか……それより、キョンくんはどうなりますか?」
「ウィルスに感染した人間は、消える」
「……!!」
消える……? 俺が?
「助ける方法は……?」

さあ、果たしてキョンくんは助かるんでしょーか!←黙れ