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君がいたらから 03

最初はうざくて、目障りで。
こいつなんていなければそれで清々する。そう思ってた。 けれども、そんな鬱な日を過ごすたびに新しい彼の一面を発見して、同時に楽しいと思っていた。 それから、これは恋なんだと気づき想いを伝え、普通に交際をはじめた。
情事の時俺もあいつも冷めてはいなかった。むしろ彼は熱く深く自分を欲してくれてた。なのにそれが、こういう事のためだったなんて。 思わなかった。
きっと、俺のこの行動も予測済みなのだろう。幕府の思い通りに首をはねさせてなんかやらないけど、死んでしまったら一緒だな、なんて今更思っちまうあたり、俺も焼きが回ったもんだ。 ああ、死にたくないなんて思わないけど、こんな形で終わらせて、坂本のバカとか、ヅラとか…あいつとか怒ってるだろーなぁ…。

「怒るに決まってんだろうがァ」

は?

唐突に視界がクリアになり、俺はぱちくりと瞬きした。 目の前には派手な着物を着こなし、片目に包帯を巻いた指名手配犯の姿が。
…こいつ京都にいたんじゃねーのかよ。 そう思って口を開いて…そして、閉じた。
「…死ぬつもりだったのか?俺はテメェを殺させるために身をひいたわけじゃねェ」
高杉は、ふと眉を寄せた。
「久しぶりにテメェの顔を見に行ったら川で銀髪がみえてよ…心臓止まるかと思ったぜ」
ポタポタと無意識に溢れた涙は止まることを知らないってよく言うけど、全くその通りだと思う。 高杉の優しい声と言葉に堰き止めていた気持ちがぶわりと溢れ出して、きづいたら俺は涙を流していた。
「…っ…」
言葉を発しようと口を動かすが、一向にのどからおとらしい音が出てこない。 必死に言葉を紡ぐが、出でこない。 その様子に気づいたのか、高杉は無理をしなくていい、という風に俺の頭を撫でると、ぎゅっと抱きしめてきた。
「…何があったか…話せるわけねェか」
こくりと高杉の胸の中で頷く。 胸の中にはいっぱい言葉が出てくるのに、口からこぼれない。 苦しくて苦しくて。 言葉に載せるはずだったものをすべて涙に載せ替えて、体の外へと追いやった。

この小説のサブタイトル「苦しい」なんですが
タイトル通り、私も苦しかったです←
実は、

高杉の優しい声と言葉に堰き止めていた気持ちがぶわりと溢れ出して、きづいたら俺は涙を流していた。
「ぁ…っ…」
言葉を発しようと口を動かすが、一向にのどからおとらしい音が出てこない。

の部分。
最初のセリフだと、あれ、情事シーンじゃね? みたいな感じになってしまってツイッターなどで試行錯誤した結果、こうなりました
いやはや苦しかったです。。

やっと高杉とうじょー!ってあれ?
早すぎやしません?www